命題8

「2つの三角形で2辺が2辺とそれぞれ等しく、底辺と底辺が等しいならば、等しい線分によってはさまれた角もまた等しい。」

2辺AB、ACが2辺DE、DFとそれぞれ等しい、すなわち、ABがDEと等しく、ACがDFと等しい2つの三角形をABCとDEFとせよ。底辺BCが底辺EFと等しいとせよ。

角BACも角EDFと等しいことをいう。

三角形ABCが三角形DEFに重ねられ、点Bが点Eに置かれる、つまり線分EFにBCが置かれるならば、BCはEFと等しいので点CもFに重ねられる。

そのとき、BCがEFと重なっているので、BA、ACもED、DFと重なる。なぜなら底辺BCが底辺EFと重なり、辺BA、ACがED、DFと重ならず、EG、GFのようにずれるならば、1つの線分上に作図され、1点で交わり、同じ側にある他の2線分が他の1点と交わり最初の2線分とそれぞれ等しい、すなわち互いに同じ端をもつ2線分が与えられる。

しかし、それを作図されることは不可能である。命題T.7

それゆえ、底辺BCが底辺EFに重ねられるならば、辺BA、ACはED、DFと重ねられないことはいえない。ゆえにそれらは重なる。そのため、角BACは角EDFと重なり、等しい。共通概念T.4

それゆえ、2つの三角形で2辺が2辺とそれぞれ等しく、底辺と底辺が等しいならば、等しい線分によってはさまれた角もまた等しい。

証明終了


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