命題1

二つの異なる量があるとする,二つのうちの大きいほうで,その全体の長さから半分より大きな量をひく,そしてひいて残ったほうから更に半分より大きい量をひくこの過程を繰り返すと,そうすると最初の二つの量の小さいほうよりちいさい量ができる。
そして,この理論は全体から半分をひく場合にも同じことがいえる。

ABとCの二つの異なる量があるとすり,ABのほうが大きい。 ABから半分より大きい量をひく。そしてさらに残りから半分よりも大きい量をひく そしてこの過程を繰り返すと残りは,Cよりも小さい量になる。

ABより大きなCを何倍かにされたDEがある。X.Def.4

DF,FG,GEをCと同じになるように分ける。ABから半分より大きなBHをひく。そして,AHから半分より大きなKHをひく。ABがDEを分けた個数と同じになるまでこれを繰り返す。AK,KH,HBがDE,FG,GEと同じ個数に分割された。

DEはABより大きい,DEから半分より小さいEGをひくABから半分より大きいHBをひく。それゆえ残ったものGDはHAよりおおきい。そして,GDはHAより大きい。

GDから半分のGFをひく,HAから半分より大きいHKをひくそれゆえDFはAKよりおおきい>

ここで,DEはCを等しいよってCもまたAKより大きいということになる。よってAKはCよりちいさい。

よってABを分割していったものは,最初にちいさいほうだったCより小さいことが言える。

証明終了


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