第10巻

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第10巻の内容

 

定義 T

定義1 同じ尺度で測られる量は通約可能である。 共通の尺度をもちえないときは,通約不可能である。 

定義2 同じ面積ではかられるいくつかの正方形があるとき直線は2乗で通約可能である。    
     共通の尺度になる面積がない時,直線の2乗は,通約不可能である。

定義3 仮定によってこれらのことが証明される。 指定された,長さ,または2乗は通約可能と通約不可能なもののそれぞれで 無限な数の直線が存在する。指定した直線を有理とよぶとし, その指定した線に対して,長さと2乗または,2乗だけの直線で通約可能なものは有理, 通約できないものが無理である。

定義4 さだめられた直線の正方形は,有理と呼ばれその正方形と 通約可能である面積は有理だが,通約できないものは,無理である。 無理面積が正方形であるならば,その一辺自身が無理線分であるが正方形以外の直線図形で あるならば,それに等しい面積の正方形の一辺が無理線分である。

定義 U

定義1 有理線分と二つの項に分けられた二項線分が与えられ, 大きいほうの線分でできた正方形が小さいほうの線分でできた正方形より, 大きいほうの線分と長さにおいて通約可能な直線でできた正方形だけ大きい時, 大きいほうの線分が有理線分と長さにおいて通約可能ならば, それ全体を第一の二項線分と呼ぶ。  

定義2 小さいほうの線分が有理線分と長さにおいて通約可能ならば, 全体を第二の二項線分と呼ぶ。

定義3 また,どちらの線分も与えられた有理線分と通約可能でないならば 全体を第三の二項線分と呼ぶ。

定義4 また,大きいほうの線分上の正方形が小さいほうの線分上の 正方形より大きいほうの線分と長さにおいて通約不可能な直線上の正方形だけ 大きいといえて,その時,さらに大きいほうの線分が与えられた有理線分と長さにおいて 通約可能なら全体を第四の二項線分と呼ぶ。

定義5 また,小さいほうの線分が与えられた有理線分と 長さにおいて通約可能ならば, 全体を第五の二項線分と呼ぶ。

定義6 また,小さいほうの大きいほうもどちらとも与えられた有理線分と通約不可能な時 全体を第六の二項線分と呼ぶ。

定義 V

定義1 有理線分と余線分が与えられ,全体上の正方形が付加された線分上 の正方形より,全体と長さにおいて通約可能な直線上の正方形だけ大きく,全体が与えられた有理線分と 長さにおいて通約可能ならば,それを第一の余線分と呼ぶ。

定義2 もし付加された線分と与えられた有理線分が通約可能ならば, 全体上の正方形は付加された線分上の正方形より,全体と通約可能な線分上の正方形だけ大きい。 このときそれを第二の余線分と呼ぶ。

定義3 もしどちらの線分も与えられた有理線分と長さにおいて通約不可能であり, 全体上の正方形が付加された線分上の正方形より,全体と通約可能な線分上の正方形だけ大きいならば, それを第三の余線分と呼ぶ。

定義4 また,もし全体上の正方形が付加された線分上の正方形より, 全体と通約不可能な線分上の正方形だけ大きく,与えられた有理線分と長さにおいて通約可能ならば, それを,第四の余線分と呼ぶ。

定義5 もし付加した線分が通約可能ならば,第五の余線分と呼ぶ。

定義6 もし,全体も付加された線分も与えられた有理線分と通約できないならば, それを第六の余線分と呼ぶ。

命題

命題1  二つの異なる量があるとする,二つのうちの大きいほうで,その全体の長さから半分より大きな量をひく,そしてひいて残ったほうから更に半分より大きい量をひくこの過程を繰り返すと,そうすると最初の二つの量の小さいほうよりちいさい量ができる。そして,この理論は全体から半分をひく場合にも同じことがいえる。

命題2  二つの不等な量のうちより大きいほうから小さいほうを次々にひいていき,そのひかれて残った量がひいたの量を割り切れないならば, それらの二つの量は通約不可能である。

命題3  二つの通約可能な大きさが与えられた時,最大公約量を見つける

命題4  三つの通約可能な量が与えられたとき,最大公約量を見つける。

命題5  通訳可能な量は,お互いに数で表せる比をもつ。

命題6  二つの量が互いに数であらわせる量をもつならば,その量は通約可能である。

命題7  通約不可能な量は互いに数であらわせる比をもたない

命題8  もし,二つの量が互いに数であらわせる比をもたないならば, それらの量は通約不可能である。

命題9  通約可能な直線でできた正方形は平方数であらわせる比をもち, 平方数であらわせる比をもつ正方形はその一辺が通約可能である。 しかし,通約不可能な直線でできた正方形は,平方数であらわせる比をもたず, 平方数であらわせる比をもたない正方形は,その一辺が通約可能ではない。

命題10  指定された直線に対して,ひとつは長さだけ,もう一つは長さと平方においても, 通約不可能な二つの直線を見つける。

命題11  四つの量が比例していて,一番目の量が二番目の量で通約可能ならば, 三番目の量も四番目の量で通約可能である。また,一番目の量が二番目の量で通約不可能ならば, 三番目の量は四番目の量で通約不可能である。

命題12  同じ量と通約可能な量はそれらも互いに通約可能である。

命題13  通約可能な二つの量があるとき,一つのほうは,何らかの量によって,通約不可能であることがいえるならば, 残りの一つも同じ量によって通約不可能であることがいえる。

命題14  四つの線分が比例し,一番目の線分でできた正方形が, 二番目の線分でできた正方形より,一番目の線分と通約可能な線分でできた正方形だけ 大きいならば,三番目の線分でできた正方形は四番目の線分でできた正方形より 三番目の線分と通約可能な線分でできた正方形だけ大きい。 また,一番目の線分でできた正方形が二番目の線分でできた正方形より, 一番目の線分と通約不可能な線分でできた正方形だけ大きいならば, 三番目の線分でできた正方形は,四番目の線分でできた正方形より三番目の線分と 通約不可能な線分でできた正方形だけ大きい。

命題15  二つの通約可能な量がたされてひとつになったとき, それ全体もまたそれらの量とそれぞれと通約可能である。 そして,もし全体がそれらの一つと通約可能であるならば, もとの量もまた通約可能である。

命題16  二つの通約不可能な量を加えるとその合計は二つの量のそれぞれによって 通約不可能であることがいえる。また,どちらかひとつの量によって合計が通約不可能 であることがいえれば,もとの二つの量も通約不可能である。

命題17  不等な二つの線分があり,大きい線分上に小さい線分でできた正方形の4分の1に等しく,正方形だけ欠けている平行四辺形をつくり,をれを長さにおいて通約できる二つの部分に分けるならば,大きい線分でできた正方形は小さい線分でできた正方形より,大きい線分と通約可能な線分でできた正方形だけ大きい。 また,大きい線分でできた正方形が小さい線分でできた正方形より大きい線分と通約可能な線分でできた正方形だけ大きく,小さい線分でできた正方形の四分の一に等しく,正方形だけ欠けている平行四辺形が大きい線分で作られるならば,それを長さにおいて,通約可能な二つの部分に分ける。

命題18  二つの不等な直線があり,小さい線分でできた正方形の4分の1に等しい正方形だけ欠けている平行四辺形が大きい線分で作られ,それを通約不可能な二つの部分に分けるならば,大きい線分でできた正方形は,小さい線分でできた正方形より,大きい線分と通約不可能な線分でできた正方形だけ大きい。 また,大きい線分でできた正方形が小さい線分でできた正方形の4分の1に等しい正方形だけ欠けている平行四辺形が大きい線分で作られるならば,それを通約不可能な二つの部分に分ける。

命題19  長さにおいて通約可能な有理な直線を含む長方形は有理である。

命題20  有理線分上にある有理面積の長方形があるとき,有理線分に対して, 長さにおいて通約可能かつ有理である直線を幅とする。

命題21  平方だけにおいて通約可能な有理線分によって囲まれた長方形は,無理面積であり,その長方形と面積の等しい正方形の辺は, 無理線分である。これを,中項線分と呼ぶ。

命題22  中項線分でできた正方形と同じ面積の長方形が有理線分上につくれるならば,有理線分に対して, 長さにおいて通約不可能かつ有理な直線を幅とする。

命題23  中項線分と通約可能な線分は中項線分である。

命題24  長さにおいて通約可能な中項線分によって作られる長方形は中項面積である。

命題25  平方だけにおいて通約可能な中項線分によって, 囲まれる長方形は有理面積か中項面積かのどちらかである。

命題26  中項面積は有理面積だけ中項面積を超えない

命題27  有理な長方形をつくっていて正方形において通約可能な中項線分をみいだす。

命題28  中項面積である長方形をつくり, 平方においてのみ通約可能である二つの中項線分を見つける。

命題29  大きい線分でできた正方形が小さい線分でできた正方形より大きい線分と長さにおいて通約可能な線分でできた正方形だけ大きいような平方に おいてのみ通約可能な二つの有理線分を見つける。

命題30  大きい線分でできた正方形が小さい線分でできた正方形より大きい線分と通約不可能な線分でできた正方形だけ大きく, 平方においてのみ通約可能な二つの有理線分を見つける。

命題31  大きい線分上の正方形が,その線分と長さにおいて通約可能な線分上の正方形だけ,小さい線分上の正方形より大きい,長方形に含まれていて, 平方においてのみ通約可能な二つの中項線分を見つける。

命題32  中項面積である長方形に含まれていて,大きいほうの線分上にある正方形が, その線分と通約可能な直線上にある正方形で小さいほうの線分上の正方形より大きいことが いえるような平方においてのみ通約可能な二つの中項線分を見つける。

命題33  平方において通約可能な二つの線分でできた正方形の和を有理面積とし,それらの線分によって囲まれた長方形を 中項面積とするような二つの線分を見つける。

命題34  平方において通約不可能であり,それぞれの線分でできた正方形の和が中項面積であり,それらの線分でできた長方形は 有理であるような,二つの直線を見つける。

命題35  平方において通約不可能であり,それぞれの線分でできた正方形の和が中項であり,中項な長方形に含まれ,その長方形と 二つの直線の正方形の和が通約不可能であるような二つの直線を見つける。

命題36  平方においてのみ通約可能な二つの有理線分が足されるときそれ全体は無理線分である。 これを二項線分と呼ぶ。

命題37 平方においてのみ通約可能で有理面積を囲む二つの中項線分が加えられるならば,全体は無理線分である。 そして,これは第一の双中項線分と呼ばれる。

命題38  平方においてのみ通約可能で中項な長方形に含まれる二つの中項線分を加えると全体は無理である。 これを第二の双中項線分と呼ぶ。

命題39  平方において通約不可能な2つの線分でできた正方形の和が有理面積で,その2つの線分によって囲まれた長方形が中項面積であるならば, この線分全体は無理線分であり,これは優線分と呼ばれる。

命題40  平方において通約可能な2つの直線があり,それぞれの直線でできた正方形の和が中項面積で, 2つの直線でできた長方形が有理面積であるとき,これらの2直線がたされるならば, この線分全体は無理線分であり,そして,中項面積と有理面積の和に等しい正方形の辺と呼ばれる。

命題41  平方において通約不可能な二つの直線上の正方形の和が,中項面積であり,その二つの直線が中項な長方形に含まれ,その長方形とそれぞれの直線上の正方形の和が,通約不可能であるとき,加えられた全体の直線は無理である。これを二つの中項面積の和に等しい正方形の辺と呼ぶ。

命題42  二項線分は一点だけでその項に分けられる。

命題43  第一の双中項線分はただ一つの点でのみ分けられる。

命題44  第二の双中項線分は一点だけで分けられる。

命題45  優線分は一点だけで分けられる。

命題46  中項面積と有理面積の和に等しい正方形の辺は,ただ一つの点でのみ分けられる。

命題47  二つの中項面積の和に等しい辺は,一点だけで分割される。

命題48  第一の二項線分を見つける

命題49 第二の二項線分を見つける

命題50 第三の二項線分を見つける

命題51 第四の二項線分を見つける。

命題52 第五の二項線分を見つける。

命題53 第六の二項線分を見つける

命題54 有理線分と第一の二項線分で作られる面積ならば,その時,その面積と等しい正方形の一辺は 無理線分で二項線分とよばれる。

命題55 有理線分と第二の二項線分で作られる面積ならば,その時の面積と等しい正方形の 一辺は無理線分で第一の双中項線分と呼ばれる。

命題56 ある有理線分と第三の二項線分を含む四角形があり,その四角形に等しい正方形の辺は無理線分で, 第二の二項線分と呼ばれる。

命題57 有理線分と第四の二項線分でできた面積があるならば,その時その面積と等しい正方形の一辺は無理線分であり, 優線分と呼ばれる。

命題58   面積が有理線分と第5の二項線分で囲まれているなら,その面積に等しい正方形の1辺は有理面積と中項面積の和に等しい正方形の辺と呼ばれる無理線分である


命題59   ある有理線分と第6の二項線分を含む四角形があるならば,それに等しい正方形の辺が無理線分であり,それは2つの中項面積の和に等しい正方形の辺と呼ばれる


命題60   二項線分上の正方形に等しい長方形が有理線分上に作られると第1の二項線分を幅とする


命題61   第1の双中項線分上でできた正方形は,第2の双中項線分を幅として,有理線分上に作られる


命題62   第2の双中項線分上の正方形に等しい長方形が有理線分上に作られるとき,第3の二項線分を幅とする


命題63   優線分上の正方形に等しい面積が有理線分上に作られるとき,第4の二項線分を幅とする


命題64   有理面積と中項面積の和に等しい正方形の1辺でできた正方形に等しい長方形は,第5の二項線分を幅として有理線分上に作られる


命題65   2つの中項面積の和に等しい正方形に辺が有理線分上に作られるとき,第6の二項線分を幅とする


命題66   ある直線が二項線分と長さにおいて通約可能ならば,その直線も二項線分で順位において同じである


命題67   双中項線分と通約可能な線分は双中項線分であり,順位において同じである


命題68   優線分と通約可能な線分はそれ自身も優線分である


命題69   有理面積と中項面積の和に等しい正方形の1辺と通約可能な直線はそれ自身も有理面積と中項面積の和に等しい正方形の1辺である


命題70   2つの中項面積の和に等しい正方形の1辺と通約可能な線分は2つの中項面積の和に等しい正方形の1辺である


命題71   有理面積と中項面積が加えられるならば,4つの無理線分,すなわち二項線分か第1の双中項線分か優線分か有理面積と中項面積の和に等しい正方形の辺ができる


命題72   お互いに通約不可能な2つの中項面積が加えられたならば,その時残りの2つの無理線分,すなわち第2の双中項線分か2つの中項面積の和に等しい正方形の1辺ができる


命題73   有理線分から平方においてのみ全体と通約可能な有理線分が引かれるならば,残りは無理線分であり,これを余線分と呼ぶ


命題74   ある中項線分から全体と平方においてのみ通約可能で,全体とともに有理な長方形に含まれる中項線分が引かれるならば,残りは無理で第1の中項余線分と呼ばれる


命題75   中項線分から全体と平方においてのみ通約可能で全体と中項面積を囲む中項線分が引かれるならば,残りは無理線分であり,第2の中項余線分と呼ばれる


命題76   線分からその全体と平方においてのみ通約不可能な線分が引かれ,全体とひかれた線分でできた正方形の和を有理面積とし,それらによって囲まれた長方形を中項面積とするならば,残りは無理線分であり,これを劣線分と呼ぶ


命題77   もし,線分から全体と平方において通約不可能な線分がひかれ,全体と2つの中項線分上の正方形の和が中項であり,それらでできた長方形の2倍が有理であるならば,残りは無理線分で中項面積と有理面積の和に等しい正方形の辺と呼ぶ


命題78   もし線分からその線分全体と平方において通約不可能な線分がひかれ,全体とひかれた線分上の2つの正方形の和を中項面積とし,それらが囲む長方形の2倍と通約不可能になるようにするならば,残りは無理線分である。そして,2つの中項面積の差に等しい正方形の辺と呼ばれる。


命題79   余線分にはそれに付加されて平方においてのみ全体と通約可能なただ1つの有理線分がある


命題80   第1の中項余線分には,それにたされると,全体と平方においてのみ通約可能で,全体とともに有理面積を囲むただ1つの中項線分がある


命題81   第2の中項余線分にはそれに付加されて全体と平方においてのみ通約可能で,全体と中項面積を囲む1つだけの中項線分がある


命題82   劣線分には,それに付加されて平方においてのみ全体と通約不可能で,全体と付加された線分でできた正方形の和を有理面積とし,それらによって囲まれた長方形の2倍を中項面積とするただ1つの線分がある


命題83   中項面積と有理面積との差に等しい正方形に辺は,それにたされて全体と平方において通約不可能であり,それらの線分上,すなわち全体の線分上とたされた線分上の正方形の和が中項面積であり,それらの線分でできた長方形の2倍が有理面積であるようなただ1つの線分である


命題84   2つの中項面積の和に等しい正方形の辺にはそれに付加されて,全体と平方において通約可能で,それら全体と付加された線分上の正方形の和を中項面積とし,それらによって囲まれる長方形の2倍を,中項面積でかつそれら上の正方形の和と通約不可能にするただ1つの線分がある


命題85   第1の余線分を見つける


命題86   第2の余線分を見つける


命題87   第3の余線分を見つける


命題88   第4の余線分を見つける


命題89   第5の余線分を見つける


命題90   第6の余線分を見つける


命題91   面積が有理線分と第1の余線分によって囲まれるならば、その面積に等しい正方形の辺は余線分である


命題92   もし,面積がある有理線分と第2の余線分によって囲まれるならば,それに等しい正方形の辺は第1の中項余線分である


命題93   有理線分と第3の余線分でつくられる面積があるならば,そのときその面積に等しい正方形の1辺は第2の中項余線分である


命題94   面積が有理線分と第4の余線分によって囲まれるならば、その面積に等しい正方形の辺は劣線分である


命題95   もし面積が有理線分と第5の余線分によって囲まれるならば,その面積に等しい正方形の辺は中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺である


命題96   有理線分と第6の余線分によってできる面積があるならば,その面積に等しい正方形の辺は,2つの中項面積の差に等しい正方形の辺である


命題97   余線分でできた正方形に等しい長方形が有理線分上につくられるならば、第1の余線分を幅とする


命題98   第1の中項余線分上の正方形に等しい長方形が有理線分上に作られるとき,第2の余線分を幅とする


命題99   第2の中項余線分上の正方形に等しい長方形が有理線分上に作られるならば,第3の余線分を幅とする


命題100   劣線分でできた正方形に等しい長方形が有理線分上につくられるならば、第4の余線分を幅とする


命題101   中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺上の正方形に等しい長方形が有理線分上に作られるならば,第5の余線分を幅とする


命題102   2つの中項面積の差に等しい正方形の1辺上の正方形に等しい長方形が有理線分上につくられるならば,第6の余線分を幅とする


命題103   余線分と長さにおいて通約可能な線分は余線分であり、順位において同じである


命題104   中項余線分と通約可能な線分は中項余線分であり,順位において同じである


命題105   劣線分と通約可能な直線は劣線分である


命題106   中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺と通約可能な線分は、中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺である


命題107   2つの中項面積の差に等しい正方形の辺と通約可能な線分は,それ自身2つの中項面積の差に等しい正方形の辺である


命題108   有理面積から中項面積がひかれるならば,そのとき残りの面積に等しい正方形の1辺は余線分か劣線分かの2つの無理線分の1つである


命題109   有理面積から中項面積がひかれるならば他の2つの無理線分、すなわち第1の中項余線分か中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺ができる


命題110   中項面積から全体と通約できない中項面積が引かれるならば,残りの2つの無理線分,すなわち第2の中項余線分か,2つの中項面積の差に等しい正方形の辺ができる


命題111   余線分は二項線分と同じではない


命題112   有理線分でできた正方形に等しい長方形が二項線分上につくられるならば余線分を幅とし、余線分の2つの項は二項線分の2つの項と通約可能で同じ比になり、このようにして生じた余線分は二項線分と同じ順位をもつ


命題113   有理線分上の正方形に等しい長方形が余線分の上に作られるならば,二項線分を幅とし,二項線分の2つの項は余線分の2つの項と通約可能であり,かつ同じ比をもち,さらにこのようにしてできた二項線分は余線分と同じ順位をもつ


命題114   余線分と二項線分でできた面積があり二項線分の二つの項が余線分の二つの項と通約可能で同じ比を持つならばそのとき面積と等しい正方形の1辺は有理である


命題115   中項線分から無数の無理線分が生じ、それらのどれもが前のものと同じでない


 


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