第5巻

第5巻

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第5巻の内容

定義(18)

命題(25)

定義

定義1 小さい量が大きい量を測りきるとき、小さい量は大きい量の一部分である。

定義2 大きい量が小さい量で測りきられるとき、大きい量は小さい量の倍量である。

定義3 比は、同種の2つの量の間の大きさに関する一種の関係である。

定義4 2つの量は、かけられたとき、他方を超すことができる一方の量との比を持つといわれる。

定義5 第1の量と第3の量のどんな同倍量で、第2の量と第4の量のどんな同倍量でも、第1の量と第3の量の同倍数が超えていても、等しくても、及ばなくても、第2の量と第4の量の同倍量が、おのおの同じ順になるとき、第1の量に対する第2の量と、第3の量と第4の量は同じ比であるといわれる。

定義6 同じ比を持つ量を比例していると呼ぶことにする。

定義7 同倍量で、第1の量の倍量が第2の量の倍量を超すが、第3の量の倍量が第4の倍量を超さないとき、第1の量は第2の量に対して、第3の量が第4の量に対するものより大きい比をもつといわれる。

定義8 3つの項での比例は、最も少なく可能である。

定義9 3つの量が比例のとき、第1の量は第3の量に対し、第1の量がもつ第2の量に対する比の2乗の比をもつといわれる。

定義10 4つの量が連続的に比例するとき、第1の量は第4の量に対し、第2の量に対する比の3乗の比をもつといわれ、何個でも比例なら、常に、同様である。

定義11 比の前項は、前項に対するといわれ、比の後項は後項に同様である。

定義12 錯比とは、前項に対して前項を、後項に対して後項をとることをいう。

定義13 逆比とは、前項に対して後項を、後項に対して前項をとることをいう。

定義14 あわせてとられた比とは、前項を後項と一緒にしたものに関して、後項自身をとることをいう。

定義15 分けてとられた比とは、前項が後項を超えている超過に関して、後項自身をとることをいう。

定義16 比の反転とは、前項に関して、前項が後項を超えている超過をとることをいう。

定義17 等間隔比とは、いくつかの量とおなじだけのもう1つのセットが、2つ2つにとられ、同じ比例であり、第2の量の中で最初が最後に対するように、第1の量のなかで最初と最後が対するとき起こる。いいかえれば、中間の項の取り除きによって、端の項をとることを意味する。

定義18 乱比例とは、3つの量と、同じだけのもう1つのセットがあり、第2の量において、第3が前項に対するように、第1の量において後項が第3に対する限り、第2の量において前項が後項に対するように、第1の量において前項が後項に対するとき起こる。

 

命題

命題1 もし、任意個の量が、それぞれ同数個の他の量の同倍量であるならば、その総和は、その総和の同倍量である。

命題2 もし、第1の量が第2の、第3が第4の同倍量で、第5もまた第2の、第6が第4の同倍量であるならば、第1と第5の和もまた第2の、第3と第6の和が第2の同倍量である。

命題3 もし、第1の量が第2の、第3が第4の同倍数で、第5の量もまた第2の、第3が第4の同倍数であるなら、第1と第5の和もまた第2の、第3と第6の和が第4の同倍数である。

命題4 第1の量は第2に同じ比を持ち、同じように第3は第4に同じ比を持つならば、第1と第3の同倍数は第2と第4のそれぞれの同倍数に同じ比を持つ。

命題5 ある量はある量の同倍数で同じように引かれた部分は引かれた部分のの同倍数であるならば、余りもまた余りの同倍数で同じように全体は全体の同倍数である。

命題6 2つの量が2つの量の同倍数で、それらから引かれたいくつかの量が同倍数ならば、余りは同じ量と等しいかまたはそれらの同倍数である。

命題7 等しい量は同じ量に同じ比をもち、同じ量は等しい量に同じ比を持つ。

命題8 等しくない量のうち、大きい量は小さい量が持つより大きい比を同じ量に持ち、同じ量は大きい量に持つより大きい比を小さい量に持つ。

命題9 同じ量に対して同じ比を持つ量は互いに等しい。同じ量がそれらに対して同じ比を持つ量は等しい。

命題10 同じ量に比をもつ量のうち、大きい比を持つものは大きい。大きい比を持つ同じ量がもつものは小さい。

命題11 同じ比で同じ量である比は互いにもまた同じ量である。

命題12 任意個の量が比例しているならば、前項の1つが後項の1つに対すると同じように、前項の和が後項の和に対する。

命題13 第1の量が第2の量に同じ比を持つと同じように第3の量が第4の量に同じ比をもち、第3の量が第5の量が第6の量に持つ比より大きい比を第4の量に持つならば、第1の量もまた第5の量が第6の量に持つ比より大きい比を第2の量に持つ。

命題14 第1の量が第2の量に同じ比を持つと同じように第3の量が第4の量に同じ比をもち、第1の量が第3の量より大きいならば、第2の量は第4の量より大きく、等しいならば等しく、小さいならば小さい。

命題15 部分はそれらの同倍数と同じ比を持つ。

命題16 4つの量が比例しているならば、それらは交互にもまた比例している。

命題17 量が共にとられて比例しているならば、それらはそれぞれ分けてとられてもまた比例している。

命題18 量がそれぞれ分けてとられて比例しているならば、それらは共にとられてもまた比例している。

命題19 全体が全体に対すると同じように引かれた部分が引かれた部分に対するならば、余りが余りに対すると同じように全体が全体に対する。

命題20 3つの量があり、他のそれらと等しい個数の量があり、2項と2項をとられて同じ比であるならば、等間隔比により、第1の量が第3の量より大きいならば、第4の量は第6の量より大きく、等しいならば等しく、小さいならば小さい。

命題21 3つの量があり、他のそれらと等しい個数の量があり、2項と2項を共にとられて同じ比であり、それらの比が入れ替えられるならば、等間隔比により、第1の量が第3の量より大きいならば、第4の量は第6の量より大きく、等しいならば等しく、小さいならば小さい。

命題22 たくさんの量があり、他のそれらと等しい個数の量があり、2項と2項を共にとられて同じ比であるならば、等間隔比により、それらは同じ比でもある。

命題23 3つの量があり、他のそれらと等しい個数の量があり、2項と2項を共にとられて同じ比であり、それらの比が入れ替えられるならば、等間隔比により、それらは同じ比でもある。

命題24 第1の量は第2の量に第3の量が第4の量に持つと同じように同じ比を持ち、また第5の量は第2の量に第6の量が第4の量に持つと同じように同じ比を持つならば、第1の量と第5の量の和は第3の量と第6の量の和が第4の量に持つと同じように第2の量に同じ比を持つ。

命題25 4つの量が比例しているならば、最も大きいものと最も小さいものの和は、2つを除いたものの和より大きい。


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