命題106

「中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺と通約可能な線分は、中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺である」

ABを中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺とし、CDはABと通約可能であるとする。

CDが中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺であることを示す。

BEはABの付加とする。  よって、AE,EBは平方において通約不可能な線分で、AE,EBでできた正方形の和を中項面積とし、AE,EBによって囲まれた長方形を有理面積とする。 ].77

前と同じ作図を用いる。

このとき、同様にしてCF,FDはAE,EBと同じ比であり、AE,EBでできた正方形の和はCF,FDでできた正方形の和と通約可能で、長方形AE,EBは長方形CF,FDと通約可能であることが証明できる。  よって、CF,FDは平方において通約不可能な線分で、CF,FDでできた正方形の和を中項面積とし、CF,FDによって囲まれた長方形を有理面積とする。

ゆえに、CDは中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺である。 ].11

したがって,中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺と通約可能な線分は、中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺である。

証明終了


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