命題107

「2つの中項面積の差に等しい正方形の辺と通約可能な線分は,それ自身2つの中項面積の差に等しい正方形の辺である」

2つの中項面積の和に等しい正方形の辺をABとし,ABと通約可能な線分をCDとする。

CDは2つの中項面積の差に等しい正方形の辺である事を証明する。BEがABにたされたとし,図を描く。

そのとき,AEとEBは平方において通約可能な線分で,それらの上の正方形は中項で,それらでできた長方形は中項であるが,それらの上の正方形とそれらでできた長方形と通約不可能である。 ].78

そして,前に証明したように,AEとEBはCFとFDと,AE上EB上の正方形の和はCF上FD上の正方形の和と,長方形AE,EBは長方形CF,FDと通約可能なので,ゆえにCFとFDは平方において通約不可能な直線であり,それらの上の正方形は中項で,それらでできた長方形は中項であり,それらの上の正方形とそれらでできた長方形は通約不可能である。

ゆえに,CDは2つの中項面積の差に等しい正方形の辺である。 ].11

したがって,2つの中項面積の差に等しい正方形の辺と通約可能な線分は,それ自身2つの中項面積の差に等しい正方形の辺である。

証明終了


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