命題11

 

同じ高さの円錐と円柱は,それらの底面に比例する.

 

 

ABCDと円EFGHを底面とし,KLMNを軸とし,AC,EGをそれぞれの直径とする同じ高さの円錐と円柱があったとする.ABCDが円EFGHに対するように,円錐ALが円錐ENに対するとする.なぜなら,もし,ABCDが円EFGHに対するように,円錐ALが円錐ENより小さいか,大きいことになる.最初に,それを小さいOに対するとし,その差を立体Xに対応させる.そのために円錐EN,立体OとXの和と等しい.EFGHに正方形EFGHを内接させる.そのために,正方形は円の半分より大きい.正方形EFGHの上に等しい高さの角錐をつくる.そのために,つくられた角錐は円錐の半分より大きい.なぜなら,もし円に正方形を外接させ,その上に円錐と等しい高さの角錐をつくると,内接する角錐は外接する角錐の半分となる.なぜなら,それらは,底面に比例するからである.P,Q,R,Sで円周EF,FG,GH,HEを二分し,そしてHP,PE,EQ,QF,FR,RG,GS,SHを結ぶ.そのために,三角形HPE,EQF,FRG,GSHのそれぞれは円の,それぞれを含む切片の半分より大きい.三角形HPE,EQF,FRG,GSHの上に,円錐と等しい高さの角錐をつくる.そのために,つくられた角錐は,それぞれの円錐のそれらを含む切片の半分より大きい.そして,残っている弧を二分して,直線を結び付けて,三角形のそれぞれの上円錐と等しい高さの角錐を作り,そして繰り返すと,立体Wより小さい,円錐の何らかの切片が残るであろう.残ったものをHPE,EQF,FRG,GSHの上のものとする. そのために,多角形HPEQFRGSを底面とする,円錐と同じ高さの残りの角錐は立体Wより大きい.ABCDに多角形HPEQFRGSと相似であり,相似な位置にある多角形DTAUBVCWが内接し,その上に円錐ALと等しい高さの角錐が作られたとする.よって,ACの上の正方形がEQの上の正方形に対するように,多角形DTAUBVCWが多角形HPEQFRGSに対する.また,ACの上の正方形がEQの上の正方形に対するように,ABCDが円EFGHに対するように,多角形DTAUBVCWが多角形HPEQFRGSに対する.けれども,ABCDが円EFGHに対するように,円錐ALが立体0に対する.そして,多角形DTAUBVCWは多角形DTAUBVCWに対するように,多角形HPEQFRGSを底面とし,Nを頂点とする角錐に対する.よって,円錐ALが立体Oに対するように,多角形DTAUBVCWを底面とする,Lを頂点とする角錐が,多角形HPEQFRGSを底面とし,Nを頂点とする角錐に対する.そのために,言いかえると,円錐ALがその中の角錐に対するように,立体Oが円錐ENの中の角錐に対する.けれども,円錐AL,その中の角錐より大きい.そのために立体Oは円錐ENの中の角錐より大きい.けれども,それは同じく小さくもある.それは,不可能である.そのために,ABCDが円EFGHに対するように,円錐ALが円錐ENより小さい立体に対することはない.同様に,EFGHが円ABCDに対するように,円錐ALが円錐ENより小さい立体に対することがないことは証明することができない.次に,ABCDが円EFGHに対するように,円錐ENが円錐ALより大きい立体に対することはないことを求める.なぜなら,もし可能であるなら,それをより大きい立体Oと同じにする.そのために,逆に,EFGHが円ABCDに対するように,立体Oが円錐ALに対する.けれども,立体Oは円錐ALに対するように,円錐EHが円錐ALより小さい立体に対する.しかし,EFGHが円ABCDに対するように,円錐ENが円錐ALに対することは,不可能であると証明された.そのために,ABCDが円EFGHに対するように,円錐ALは円錐ENより大きい立体に対することはない.けれどもまた,それがより小さいこともない.そのために,ABCDが円EFGHに対するように,円錐ALが円錐ENに対することは,証明された.けれども,円錐が円錐に対するように,円柱が円柱に対する.それは,それぞれが,3倍であるからである.そのために、円ABCDが円EFGHに対するように,それらの等しい高さの円柱に,対する.そのために,同じ高さの円錐と円柱は,それらの底面に比例する.

 証明終了


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