命題16

 

正二十面体を作り,そして前述の図形のように,球でそれを囲んで,そして正二十面体の辺が劣線分という無理線分となる.

 

 

所定の球の直径ABを定めて,そしてACCB4倍であるように,Cにおいてそれを切り,ABの上に半円形ADBを作り,直角となるように,Cから AB まで直線CDを引いて、そしてDBを結ぶ.EFGHKを定め,そしてその半径をDBと等しくさせる.EFGHKで等辺かつ等角の五角形EFGHKを内接させ,円周EF,FG,GH,HKを点L,,,,Pで2等分し,そして LM,MN,NO,OP,PL,EPが結ばれたとする.そのために五角形 LMNOP は同じく等辺となる.そして直線EPは十角形の辺である.点E,,,,Kが円の面と直角をとなり,EFGHKの半径と等しい線分EQ,FR,GS,HT,KUを作る.QR,RS,ST,TU,UQ,QL,LR,RM,MS,SN,NT,TO,OU,UP,PQを結ぶ.今、直線EQKUのそれぞれがが同じ面と直角をなすので,そのためにEQKUと平行である.けれどもそれは同じく等しい.そして等しく,平行した直線のそれらの端を結び付けている直線は等しく,平行である.そのためにQUは等しく,そしてEKに平行している.けれどもEKは等辺五角形の辺である.そのためにQUは同じく円EFGHKに内接した等辺五角形の辺となる.同じ理由のために直線QR,RS,ST,TU が同じく円EFGHKに内接した等辺五角形の辺となる.そのために五角形QRSTUは等辺である.そして,QEが六角形の辺であり,EPは十角形の辺であり,そして角QEPが直角なので,そのためにQPが五角形の辺となる.なぜならば,五角形の辺の上の正方形が,同じ円に内接する六角形の辺と十角形の辺の上の正方形の2つの和と等しいからである.同じ理由のために,PUは同じく五角形の辺である.けれどもQUは同じく五角形の辺である.そのために三角形QPUは等辺である.同じ理由のために,三角形QLR,RMS,SNT,TOUのそれぞれが等辺である.そして,QL,QPのそれぞれが五角形の辺であることが証明された。そしてLP が同じく五角形の辺であるので,そのために三角形QLPは等辺である.同じ理由のために三角形LRM,MSN,NTO,OUPのそれぞれが同じく等辺である.EFGHKの中心をVとし,円の面と直角をなすように,VからVZを引き,そして反対側へVXを延長させる.六角形の辺VWと十角形の辺VX,WZをそれぞれ切り取り,QZ,QW,UZ,EV,LV,LX,XMを結ぶ.,直線VWQEのそれぞれが円の面と直角をなすので,そのためにVWQEと平行である.けれども,それらは同じく等しい.そのためにEVQWは同じく等しくて,そして平行である.けれどもEVは六角形の辺である.そのためにQWは同じく六角形の辺となる.そして,QWが六角形の辺であり,WZが十角形の辺であり,そして角QWZが直角なので,そのためにQZ が五角形の辺となる.同じ理由のために,UZは同じく五角形の辺となる.なぜならもし,VKWUを結びと,それらが等しくて、そして相対し,そしてVK が半径であり,六角形の辺であるから,WUは同じく六角形の辺となる.けれどもWZは十角形の辺である.そして角UWZは直角である.そのためにUZは五角形の辺となる.けれどもQUは同じく五角形の辺である.そのために三角形QUZは等辺である.同じ理由のために,線分QR,RS,ST,TUを底辺とし,Zを頂点とする残りの三角形も同じく等辺である.そして,VLが六角形の辺であり,VXが十角形の辺であり,LVXが直角なので,LXは五角形の辺である.同じ理由のために,もし六角形の辺であるMVを結ぶと,MXは五角形の辺となることが推論される.けれどもLMは同じく五角形の辺である.そのために三角形LMXは等辺である.同様に,MN,NO,OP,PSのそれぞれを底辺とし,Xを頂点とする残りの三角形は同じく等辺である.そのために二十の等辺三角形によって囲まれた正二十面体が組み立てらた.次に所定の球で囲み,そして正二十面体の辺が劣線分と呼ばれる,無理線分であることを証明する.VWが六角形の辺であり,WZが十角形の辺であるから,そのためにVZWにおいて外中比に分けられ,そしてVWはそのより大きい部分である.従って,ZVVWに対するように,VWWZに対する.けれどもVWVEと等しい.そしてWZVXと等しい.そのために,EVVXに対するように,ZVVEに対する.そして角ZVEEVXは直角である.従って,もし直線EZを結ぶと,三角形XEZVEZが相似となるから,XEZは直角である.同じ理由のためにVWWZに対するように,ZVXWと等しく,そしてVWWQと等しく,ZVVW等しいから,QWWZに対するように,XWWQに対する.そして,もしQXを結ぶと,Qにおいての角が直角となるであろう.そのために XZ の上に記述された半円は Qも通るであろう.もし,XZを固定し,半円を回転させ,そしてその動き始めたところに戻るとすれば,Qを通り,そして正二十面体の残りの辺も通るであろう.そして,正二十面体は球によって囲まれるであろう.次にそれが所定の球で同じく囲まれることを証明する.なぜならば,A'VWを二分したとする.そうすると,直線VZWにおいて外中比に分けられ,ZWがその小さい部分であり,ZWに大きい部分の半分であるWA'を加えた上の正方形は,大きい部分の半分の正方形の5倍である.そのために,ZAの上の正方形はA'Wの上の正方形の5倍である.そして,ZXZA'5倍である.そしてVWA'W2倍である.そのために,ZXの上の正方形はWVの上の正方形の六倍である.そしてACCB4倍であるので,そのためにABBC5倍である.けれども,ABBCに対するように,ABの上の正方形がBDの上の正方形に対する.けれども,ZXの上の正方形は同じくVWの上の正方形の5倍であることが証明された.そして,DBVWと等しい.なぜならば,それらは円EFGHKの半径と等しいからである.そのために,ABは同じくXZと等しい.そして AB は所定の球の直径である.そのためにXZは同じく所定の球の直径と等しい.そのために,正二十面体は所定の球によって,囲まれた.次に,二十面体の辺が劣線分と呼ばれる無理線分であることを証明する.球の直径が有理線分であり,そしてその上の正方形が円EFGHKの半径の上の正方形の5倍であるので,そのために円EFGHKの半径は同じく有理線分である.そのために,その直径は同じく有理線分である.けれども,もし等辺五角形が直径が有理線分である円に内接するならば,五角形の辺は劣線分と呼ばれる無理線分である.そして五角形EFGHKが正二十面体の辺である.そのために正二十面体の辺は劣線分と呼ばれる,無理線分である。

 

 

これから,球の直径の上の正方形は正二十面体がその上に記述された円の半径の上の正方形の5倍であり,そして球の直径が同じ円に内接する六角形の辺と十角形の2辺との和になることは,明らかである.

 証明終了


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