命題5

「二等辺三角形で底辺の上にある角は互いに等しい。そして等しい直線が延長されるならば、底辺の下にある角は互いに等しい。」

辺ABが辺ACと等しい二等辺三角形をABCとし、ABとACを延長される直線をBDとCEとせよ。定義T.20公準T.2

角ABCは角ACBと等しく、角CBDは角BCEと等しいことをいう。

BDに任意の点Fをとりなさい。大きいAEから小さいAFに等しいAGを切り取りなさい。命題T.3

そしてFCとGBを結びなさい。公準T.1

AFはAGと等しくABがACと等しいので、それゆえ2辺FA、ACが2辺GA、ABとそれぞれ等しい。そしてそれらは共通の角、角FAGをはさんでいる。

それゆえ、底辺FCが底辺GBと等しく、三角形AFCは三角形AGBと等しく、残りの角は残りの角とそれぞれ等しい。すなわち、等しい辺に対する角は等しい。つまり、角ACFは角ABGと等しく、角AFCは角AGBと等しい。命題T.4

AF全体がAG全体と等しくABはACと等しいので、それゆえ、残りのBFは残りのCGと等しい。共通概念T.3

しかし、FCもまたGBと等しいことが証明されている。それゆえ、2辺BF、FCが2辺CG、GBとそれぞれ等しい。また、角BFCは角CGBと等しく、底辺BC全体は共通である。それゆえ三角形BFCもまた三角形CGBと等しく、残りの角も残りの角とそれぞれ等しい。すなわち、等しい辺に対する角は等しい。それゆえ、角FBCは角GCBと等しく、角BCFは角CBGと等しい。命題T.4

それに応じて、角ABC全体は角ACFと等しいことが証明されていて、角CBGは角BCFと等しいので、残りの角ABCは残りの角ACBと等しく、それらは三角形ABCの底角である。共通概念T.3

しかし、角FBCも角GCBと等しいことが証明されていて、それらは底辺の下にある。

それゆえ、二等辺三角形で底辺の上にある角は互いに等しい。そして等しい直線が延長されるならば、底辺の下にある角は互いに等しい。

証明終了


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