命題18

二つの不等な直線があり,小さい線分でできた正方形の4分の1に等しい 正方形だけ欠けている
平行四辺形が大きい線分で作られ,
それを通約不可能な二つの部分に分けるならば, 大きい線分でできた正方形は,
小さい線分でできた正方形より,
大きい線分と通約不可能な 線分でできた正方形だけ大きい。
また,大きい線分でできた正方形が小さい線分でできた正方形の 4分の1に等しい正方形だけ
欠けている平行四辺形が 大きい線分で作られるならば,
それを通約不可能な二つの部分に分ける。

二つの不等な直線AとBCがあり,大きいほうをBCとする。
そして,小さいほうの直線 つまりAでできた正方形の4分の1に等しい正方形だけかけた長方形が
BC上に作られる。

これをBDとDCでできた長方形であるとし, BDとDCは長さにおいて通約不可能である。 ].17.Lemma

BCでできた正方形はAでできた正方形より
BCと通約不可能な直線でできた正方形だけ大きいことを示す。

定理17と同様の作図をすると,BCはAでできた正方形より FDでできた正方形だけ大きいことがわかる。

BDは長さにおいて,DCと通約不可能なので,
ゆえに,BCもまたCDと長さにおいて通約不可能である。
].16

DCはBFとDCの和と通約不可能なので, ゆえに,BCはBFとDCの和とは通約不可能であり,
ゆえにBCは残りのFDとも長さにおいて通約不可能である。
].6 ].13 ].16

そして,正方形BCは正方形Aより正方形FDだけ大きく,
ゆえに正方形BCは正方形Aより BCと通約不可能な直線でできた正方形だけ大きい。

次に,正方形BCは正方形AよりBCと通約不可能な直線でできた正方形だけ 大きいとする

正方形Aの4分の1に等しい正方形だけ欠けた平行四辺形をBC上につくり,
これをBDとDCとでできた長方形とする。

BDとDCが通約不可能であることはすでに証明された。

同様に作図をすると, 正方形BCは正方形Aより正方形FDだけ大きいことがわかる。

正方形BCは正方形AよりBCと通約不可能な直線でできた正方形だけ大きく,
ゆえにBCはFDと長さにおいて通約不可能である。

ゆえに,BCは残り,つまりBFとDCの和とも通約不可能である。 ].16

BFとDCの和はDCと長さにおいて通約不可能であり,
ゆえにBCはDCと長さにおいて通約不可能である。

よって,BDはDCとも通約不可能である。 ].6 ].13 ].16

証明終了


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