命題31

大きい線分上の正方形が,その線分と長さにおいて通約可能な線分上の 正方形だけ小さい線分上の正方形より大きい長方形に含まれていて 平方においてのみ通約可能な2つの中項線分を見つける。

正方形において通約可能で有理な2線分をABとし, 大きい線分A上の正方形が,小さい線分B上の正方形より, 大きい線分Aと長さにおいて 通約可能な線分上の正方形だけ大きいとする。 ].29

線分C上の正方形が,線分A,Bによる長方形と等しいとする。

線分A,Bによる長方形は中項面積なため,C上の正方形は中項面積である。
よって,線分Cは中項線分である。
].21

線分C,Dによる長方形が,B上の正方形と等しいとすると, B上の正方形は有理であるためC,Dによる長方形も有理である。

AがBに対するように,長方形A,BがB上の正方形に対するため, C上の正方形は長方形A,Bと等しく,長方形C,DはB上の正方形と等しい。

よって,AがBに対するように,CがDに対する。C上の正方形が長方形C,Dに対するように, CがDに対するため,AがBに対するようにCがDに対する。 ].11

Aは正方形においてのみBと通約可能なため,CはDと正方形においてのみ通約可能である。
Cが中項線分なため,Dは中項線分である。
].23.Note

AがBに対するようにCがDに対し,A上の正方形がB上の正方形より Aと通約可能な線分上の正方形だけ大きい。

よって,C上の正方形はD上の正方形より, Cと長さにおいて通約可能な線分上の正方形だけ大きい。 ].14

よって,C上の正方形はD上の正方形よりもCと 長さにおいて通約可能な線分上の正方形だけ大きい。

同様にして,A上の正方形がB上の正方形より, Aと長さにおいて通約不可能な線分上の正方形だけ大きいとき, C上の正方形がD上の正方形より, Cと通約不可能な線分上の正方形だけ大きい事が証明できる。 ].30

証明終了


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