命題51

第四の二項線分を見つける。

二つの数をAC,CBとし,ABはBCともACとも 平方数が平方数に対する比をもたないとする。

有理線分をDとし,EFはDと長さにおいて通約可能とする。

このとき,EFも有理線分である。

EF上の正方形がFG上の正方形に対するように,数BAがACに対する。

そのとき,EF上の正方形はFG上の正方形と通約可能である。 よって,FGも有理である。 ].6.Cor. ].6

ここで,BAはACと平方数が平方数に対する比をもたないので,
EF上の正方形もFG上の正方形と平方数が平方数に対してもつ比をもたない。

よって,EFはFGと長さにおいて通約不可能である。 ].9

よってEFとFGは平方においてのみ通約可能な有理線分であり, EGは二項線分である。

次に,EGが第四の二項線分であることを示す。

BAがACに対するように,EF上の正方形がFG上の正方形に対するので,
EF上の正方形はFG上の正方形より大きい。

FG上の正方形とH上の正方形の和は, EF上の正方形と等しいとする。

このとき,除比の理より,数ABがBCに対するように, EF上の正方形がH上の正方形に対する。 X.19.Cor.

しかし,ABはBCに対して平方数が平方数に対する比をもたない。

よって,EF上の正方形もH上の正方形に対して, 平方数が平方数に対する比をもたない。

よって,EFもHと長さにおいて通約不可能。

よって,EF上の正方形はGF上の正方形より, EFと通約不可能な直線上の正方形だけ大きい。 ].9

EFとFGは平方においてのみ通約可能な有理線分で, EFはDと長さにおいて通約可能である。

よって,EGは第四の二項線分である。

証明終了


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