命題52

第五の二項線分を見つける。

二つの数をAC,CBとおき,ABはそれらに対して 平方数が平方数に対する比を持たないとする。

ある有理線分をDとおき,EFはDと通約可能とする。

このときEFは有理線分である。

CAがABに対するようにEF上の正方形がFG上の正方形に対するとする。 ].6.Cor.

CAはABに対して平方数が平方数に対して持つ比を持たない。

よって,EF上の正方形はFG上の正方形に対して 平方数が平方数に対して持つ比を持たない。

ゆえに,EFとFGは平方においてのみ通約可能な有理線分である。

したがって,EGは二項線分である。 ].36 ].9

次に,第五の二項線分であることを示す。

CAがABに対するようにEF上の正方形がFG上の正方形に対するので,
逆に,BAがACに対するようにFG上の正方形がFE上の正方形に対する。

よって,GF上の正方形はFE上の正方形より大きい。 X.7.Cor.

また,EFとH上の正方形の和がGF上の正方形と等しいとする。

このとき,除比の理より,数ABがBCに 対するようにGF上の正方形はH上の正方形に対する。 X.19.Cor.

またABはBCに対して平方数が平方数に対する比を持たない。

よって,FG上の正方形はH上の正方形に対して, 平方数が平方数に対する比を持たない。

ゆえに,FGはHと長さにおいて通約不可能である。

したがって,FG上の正方形はFE上の正方形より FGと通約不可能な線分上の正方形だけ大きい。 ].9

また,GF,FEは平方においてのみ通約可能な有理線分であり,
小さい項EFは定められた 有理線分Dと長さにおいて通約可能である。

よって,EGは第五の二項線分である。

証明終了


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