命題56

ある有理線分と第三の二項線分を含む四角形があり,その四角形に等しい 正方形の辺は無理線分で,第二の二項線分と呼ばれる。

有理線分ABと第三の二項線分ADを含む四角形ABCDとする。
ADはEで二つの部分に分けられ,AEを大きい方とする。

四角形ACに等しい正方形の辺は無理線分で 第二の二項線分と呼ばれることを示す。

前と同様に作図する。

ADは第三の二項線分なので ゆえにAEとEDは平方においてのみ通約可能な有理線分で,
AE上の正方形はED上の正方形よりAEと通約可能な線分上の正方形だけ 大きく, AEとEDはともにABと長さにおいて通約可能である。
].Def,U.3

ADは第三の二項線分なのでゆえにAEとEDは平方においてのみ 通約可能な有理線分で,AE上の正方形はED上の正方形より
AEと通約可能な線分上の正方形だけ大きく, AEとEDはともにABと長さにおいて通約可能である。

次に,それが第二の二項線分であることを示す。

DEはABすなわちEKと長さにおいて通約不可能であり,DEはEFと通約可能なので,
ゆえに,EFはEKと長さにおいて通約不可能。
].13

また,それらは有理で,ゆえにFEとEKは平方においてのみ通約可能な 有理線分である。
ゆえに,EL,すなわちMRは中項面積である。
].21

また,それはMNとNOを含む。
ゆえにMNとNOでできた長方形は中項である。
ゆえに,MOは第二の二項線分である。
].38

証明終了


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