命題59

「ある有理線分と第6の二項線分を含む四角形があるならば,それに等しい正方形の辺が無理線分であり,それは2つの中項面積の和に等しい正方形の辺と呼ばれる」

有理線分ABと第6の二項線分ADを含む四角形ABCDがあり,Eで分けられるとし,AEを大きい方とする。
ACに等しい正方形の辺が2つの中項面積の和に等しい正方形の辺である事を示す。

前と同様の図形を描く。

そうすると,MOが四角形ACに等しい正方形の辺である事は明らかである。すなわち,MNはNOと平方において通約不可能である。

EAはABと長さにおいて通約不可能なので,ゆえにEAとABは平方においてのみ通約可能な有理線分である。よって,AKはMN上,NO上の正方形の和に等しい正方形の辺であり,中項である。].21

また,EDもABと長さにおいて通約不可能なので,ゆえにFEもEKと通約不可能である。よって,FEとEKは平方においてのみ通約可能な有理線分である。ゆえに,ELすなわちMR,すなわちMNとNOでできた長方形は中項である。].13 ].21

AEはEFと通約不可能なのでゆえにAKはELと通約不可能である。 Y.1 ].11

また,AKはMN上,NO上の正方形の和で,ELはMNとNOでできた長方形であり,MN上,NO上の正方形の和と,長方形MN,NOは通約不可能である。また,それらは中項面積であるのでMNとNOは平方において通約不可能である。

ゆえに,MOは2つの中項面積の和に等しい正方形の辺であり,ACに等しい正方形の辺である。 ].41

証明終了


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