命題70

「2つの中項面積の和に等しい正方形の1辺と通約可能な線分は2つの中項面積の和に等しい正方形の1辺である」

2つの中項面積の和に等しい正方形の1辺をABとし,CDはABと通約可能であるとする。

CDが2つの中項面積の和に等しい正方形の1辺である事を示す。

ABは2つの中項面積の和に等しい正方形の辺であるので,Eで2つの線分に分けられたとする。よって,AE,EBは平方において通約不可能で,AE,EBでできた正方形の和を中項面積とし,AE,EBでできた長方形を中項面積とし,AE,EBでできた正方形の和をAE,EBでできた長方形と通約不可能とする。 ].41

前と同様に作図する。

このとき,同様にして,CF,FDは平方において通約不可能でAE,EBでできた正方形の和はCF,FDでできた正方形の和と通約可能で,AE,EBでできた長方形はCF,FDでできた長方形と通約可能である事が証明できる。 よって,CF,FDでできた正方形の和は中項面積で,CF,FDでできた長方形は中項面積で,CF,FDでできた正方形の和はCF,FDでできた長方形と通約不可能である。

ゆえに,CDは2つの中項面積の和に等しい正方形の1辺である。

証明終了


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