命題12

「鈍角三角形で、鈍角の対辺上の正方形は鈍角をはさむ2辺の上の正方形の和より、鈍角をはさむ辺のうちの1つとこの辺に垂線が下され、この鈍角への垂線によって外部に切り取られた線分によって囲まれている長方形の2倍大きい。」

角BACを鈍角にもつ鈍角三角形をABCとし、点BからCAに垂線BDをひきなさい。BC上の正方形はBA、AC上の正方形の和よりCA、ADに囲まれている長方形の2倍大きいことをいう。

線分CDは任意に点Aで分けられているので、DC上の正方形はCA、AD上の正方形とCA、ADに囲まれている長方形の2倍の和と等しい。命題U.4

おのおのにDB上の正方形を加えなさい。それゆえ、CD、DB上の正方形の和はCA、AD、DB上の正方形とCA、ADに囲まれている長方形の2倍の和と等しい。

しかし、CB上の正方形はCD、DB上の正方形の和と等しい。Dにおける角は直角であるためAB上の正方形はAD、DB上の正方形の和と等しいので、CB上の正方形はCA、AB上の正方形とCA、ADに囲まれている長方形の2倍の和と等しい。ゆえに、CB上の正方形はCA上の正方形よりCA、ADに囲まれている長方形の2倍大きい。命題T.47

それゆえ、鈍角三角形で、鈍角の対辺上の正方形は鈍角をはさむ2辺の上の正方形の和より、鈍角をはさむ辺のうちの1つとこの辺に垂線が下され、この鈍角への垂線によって外部に切り取られた線分によって囲まれている長方形の2倍大きい。

証明終了


第2巻命題11へ 第2巻命題13へ 第2巻目次へ