命題4

「線分が任意に分けられるならば、全体の上の正方形は2つの部分の上の正方形と2つの部分によって囲まれている長方形の2倍の和と等しい。」

点Cで任意に分けられた線分をABとせよ。

AB上の正方形はAC、CB上の正方形とAC、CBに囲まれている長方形の2倍の和と等しいことをいう。

AB上に正方形ADEBをかきなさい。BDを結びなさい。Cを通って、AD、EBのどちらかと平行なCFをひき、Gを通って、AB、DEのどちらかと平行なHKをひきなさい。命題T.46命題T.31

そのとき、CFはADと平行で、BDはそれらと交わっているので、外角CGBは内対角ADBと等しい。命題T.29

しかし、辺BAもADと等しいので、角ADBは角ABDと等しい。それゆえ、角CGBも角GBCと等しい。ゆえに、辺BCも辺CGと等しい。命題T.5命題T.6

しかし、CBはGKと等しく、CGはKBと等しい。それゆえ、GKもKBと等い。それゆえ、CGKBは等辺形である。命題T.34

つぎに、それはまた直角をもつことをいう。

CGはBKと平行なので、角KBCとGCBの和は2直角と等しい。命題T.29

しかし、角KBCは直角である。それゆえ、角BCGも直角である。ゆえに、対角CGK、GKBも直角である。命題T.34

それゆえ、CGKBは直角をもつ。そして、等辺形であることも証明されていた。それゆえ、それは正方形で、それはCB上にかかれる。

同様な理由で、HFも正方形で、それはHG、つまりAC上にかかれる。それゆえ、正方形HF、KCはAC、CB上の正方形である。命題T.34

いま、AGはGEと等しく、GCがCBと等しいためAGはAC、CBに囲まれている長方形なので、GEもAC、CBに囲まれている長方形と等しい。それゆえ、AGとGEの和はAC、CBに囲まれている長方形の2倍と等しい。

しかし、正方形HF、CKもAC、CB上の正方形である。それゆえ、4つの図形HF、CK、AG、GEの和はAC、CB上の正方形とAC、CBに囲まれている長方形の2倍の和と等しい。

しかし、HF、CK、AG、GEはADEB全体であり、AB上の正方形である。

それゆえ、AB上の正方形はAC、CB上の正方形とAC、CBに囲まれている長方形の2倍の和と等しい。

それゆえ、線分が任意に分けられるならば、全体の上の正方形は2つの部分の上の正方形と2つの部分によって囲まれている長方形の2倍の和と等しい。

証明終了


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