命題8

「線分が任意に分けられるならば、全体と1つの部分によって囲まれている長方形の4倍と残りの部分の上の正方形の和は全体の線分と先にいわれた部分を一直線とした正方形と等しい。」

点Cで任意に分けられた線分をABとせよ。

AB、BCに囲まれている長方形の4倍とAC上の正方形の和はABとBCを一直線とした正方形と等しいことをいう。

ABと一直線をなす線分BDを延長し、BDをCBと等しくさせなさい。AD上に正方形AEFDをかき、作図しなさい。

そのとき、CBはBDと等しく、一方で、CBはGKと等しく、BDはKNと等しいのでGKもKNと等しい。

同様な理由で、QRもRPと等しい。

そして、BCはBDと等しく、GKはKNと等しいので、CKもKDと等しく、GRはRNと等しい。命題T.36

しかし、CKはRNと等しい。なぜなら、それらは平行四辺形CPの補形である。それゆえ、KDもGRと等しい。それゆえ、DK、CK、GR、RNの4つは互いに等しい。それゆえ、4つはCKの4倍である。命題T.43

また、CBはBDと等しく、一方で、BDはBKつまりCGと等しく、CBはGKつまりGQと等しいので、CGもGQと等しい。

そして、CGはGQと等しく、QRはRPと等しいので、AGもMQと等しく、QLはRFと等しい。命題T.36

しかし、MQはQLと等しい。なぜなら、それらは平行四辺形MLの補形である。それゆえ、AGもRFと等しい。それゆえ、AG、MQ、QL、RFの4つは互いに等しい。それゆえ、4つはAGの4倍である。しかし、DK、CK、GR、RNの4つはCKの4倍であることは証明されていた。グノーモーンSTUを含む8つはAKの4倍である。

いま、BKがBDと等しいため、AKはAB、BDに囲まれている長方形なので、AB、BDに囲まれている長方形の4倍はAKの4倍である。

しかし、グノーモーンSTUはまたAKの4倍であることを証明されていた。それゆえ、AB、BDに囲まれている長方形の4倍はグノーモーンSTUと等しい。

おのおのにAC上の正方形と等しいOHを加えなさい。それゆえ、AB、BDに囲まれている長方形の4倍とAC上の正方形の和はグノーモーンSTUとOHの和と等しい。

しかし、グノーモーンSTUとOHはAD上にかかれている正方形AEFD全体である。それゆえ、AB、BDに囲まれている長方形の4倍とAC上の正方形の和はAD上の正方形と等しい。

しかし、BDはBCと等しい。

それゆえ、AB、BCに囲まれている長方形の4倍とAC上の正方形の和はAD上の正方形、つまりABとBCを一直線とした正方形と等しい。

それゆえ、線分が任意に分けられるならば、全体と1つの部分によって囲まれている長方形の4倍と残りの部分の上の正方形の和は全体の線分と先にいわれた部分を一直線とした正方形と等しい。

証明終了


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