命題1

 「与えられた円の中心を見つけること」

 

与えられた円をABCとせよ。

円ABCの中心を見つけることが要求されている。

円周上を通る任意の点から線分ABをひき、点Dでそれを2等分しなさい。

DからABに対して直角にDCをひきなさい。それをEまで延長し、FでCEを2等分しなさい。

Fは円ABCの中心であることをいう。

それがそうならないと仮定して、可能ならば、中心をGとせよ。GA、GD、GBを結びなさい。

そのとき、ADはDBと等しく、DGは共通なので、2辺AD、DGは2辺BD、DGとそれぞれ等しい。そして、底辺GAはGBと等しい。なぜなら、それらは半径である。それゆえ、角ADGは角GDBと等しい。命題T.8

しかし、直線が直線の上に立っていて接角が互いに等しくさせるとき、等しい角のそれぞれは直角である。それゆえ、角GDBは直角である。定義T.10

しかし、角FDBも直角なので、角FDBは角GDBと等しく、大きいほうは小さいほうと等しくなるが、不可能である。それゆえ、Gは円ABCの中心ではない。

同様にして、Fを除くどの点もそうならないことを証明することができる。

それゆえ、点Fは円ABCの中心である。

作業終了

 

このことから、円で直線が直線を直角に2等分するならば、円の中心は2等分線上にあることが明らかである。


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