命題13

「円は内側で接しようと外側で接しようと、他の円と1つ以上の点で接しない。」

 

可能ならば、円ABDCがまず内側で円EBFDと1つ以上の点、すなわちD、Bで接するとせよ。

円ABDCの中心Gと円EBFDの中心Hをとりなさい。

それゆえ、GからFまで結んだ線分はB、Dにおちる。命題V.11

BGHDのようになるとせよ。

そのとき、点Gは円ABDCの中心で、BGはGDと等しいので、BGはHDより大きい。それゆえ、BHはHDよりなお大きい。

また、点Hは円EBFDの中心で、BHはHDと等しい。しかし、BHはHDよりなお大きいことも証明されていた。それは不可能である。

それゆえ、円は内側で他の円と1つ以上の点で接しない。

さらに、外側でもそうならないことをいう。

可能ならば、円ACKが円ABDCと1つ以上の点、すなわちA、Cで接するとせよ。AGを結びなさい。

そのとき、円ABDC、ACKのそれぞれの円周上で2点A、Cが任意にとられるので、線分はそれぞれの円の内部におちる。しかし、それは円ABDCの内部におち、ACKの外部におちた。それは不合理である。命題V.2定義V.3

それゆえ、円は外側で他の円と1つ以上の点で接しない。

そして、それは内側でもそうならないことが証明されていた。

それゆえ、円は内側で接しようと外側で接しようと、他の円と1つ以上の点で接しない。

証明終了


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