命題12

「与えられた円に等辺等角な五角形を外接すること」

 

与えられた円をABCDEとせよ。

円ABCDEに等辺等角な五角形を外接することが要求されている。

A、B、C、D、Eを内接した五角形の角の点と考えられ、弧AB、BC、CD、DE、EAは等しい。A、B、C、D、Eを通り円に接するようにGH、HK、KL、LM、MGをひきなさい。円ABCDEの中心Fをとり、FB、FK、FC、FL、FDを結びなさい。命題W.11系V.16命題V.1

そのとき、線分KLはCで円ABCDEに接し、FCは中心Fから接点Cに結ばれているので、FCはKLと垂直である。それゆえ、Cにおける角のそれぞれは直角である。命題V.18

同様な理由で、B、Dにおける角も直角である。

そして、角FCKは直角なので、FK上の正方形はFC、CK上の正方形の和と等しい。同様な理由で、FK上の正方形はまたFB、BK上の正方形の和と等しい。したがって、FC、CK上の正方形の和はFB、BK上の正方形の和と等しく、そのうちのFC上の正方形はFB上の正方形と等しいので、残りのCK上の正方形は残りのBK上の正方形と等しい。命題T.47

それゆえ、BKはCKと等しい。

そして、FBはFCと等しく、FKは共通なので、2辺BF、FKは2辺CF、FKと等しく、底辺BKは底辺CKと等しいので、角BFKは角CFKと等しく、角BKFは角CKFと等しい。それゆえ、角BFCは角KFCの2倍で、角BKCは角FKCの2倍である。命題T.8

同様な理由で、角CFDも角CFLの2倍で、角DLCも角FLCの2倍である。

いま、弧BCはCDと等しいので、角BFCも角CFDと等しい。命題V.27

そして、角BFCは角KFCの2倍で、角DFCは角LFCの2倍なので、角KFCも角LFCと等しい。

しかし、角FCKも角FCLと等しいので、FKC、FLCは2角が2角と等しく、1辺が1辺と等しい、つまりそれらと共通であるFCが等しいことをもつ2つの三角形である。それゆえ、それらは残りの辺は残りの辺と等しく、残りの角は残りの角と等しいことももつであろう。それゆえ、線分KCはCLと等しく、角FKCは角FLCと等しい。命題T.26

そして、KCはCLと等しいので、KLはKCの2倍である。

同様な理由で、HKもBKの2倍であることが証明できる。

そして、BKはKCと等しいので、HKもKLと等しい。

同様にして、線分HG、GM、MLのそれぞれも線分HK、KLのそれぞれと等しいことが証明できる。それゆえ、五角形GHKLMは等辺である。

つぎに、等角であることをいう。

角FKCは角FLCと等しく、角HKLは角FKCの2倍で、角KLMは角FLCの2倍であることが証明されていた。それゆえ、角HKLも角KLMと等しい。

同様にして、角KHG、HGM、GMLのそれぞれも角HKL、KLMのそれぞれと等しいことが証明できる。それゆえ、5つの角GHK、HKL、KLM、LMG、MGHは互いに等しい。

それゆえ、五角形は等角である。

そして、それは等辺であることも証明されていた。そして、それは円ABCDEに外接している。

作業終了


第4巻命題11へ 第4巻命題13へ 第4巻目次へ