命題34

平方において通約不可能であり,それぞれの線分でできた正方形の和が中項面積であり,
それらの線分でできた長方形は有理であるような,二つの直線を見つける。

二つの中項線分AB,BCとする。
それらは平方においてのみ通約可能, すなわちその二つの線分でできた長方形は有理でABでできた正方形は BCでできた正方形より ABと通約不可能な線分でできた正方形だけ大きい。
].31

AB上に半円ADBをかく,BEでできた正方形に等しく 正方形だけ欠けている平行四辺形がAB上につくられる。

つまり,AFとFBでできた長方形である。
よって,AFはFBと通約不可能。 Y.28 ].18

FからABに対して直角にFDをひき,ADとDBをむすぶ。

AFはFBと長さにおいて通約不可能なので 長方形BA,AFは長方形AB,BFと通約不可能。 ].11

また,長方形BA,AFはAD上の正方形に等しく, 長方形AB,BFはDB上の正方形に等しい。

ゆえに,AD上の正方形はDB上の正方形と通約不可能

そしてAB上の正方形は中項面積であり, AD上,DB上の正方形の和も中項面積。 V.31 T.47

BCはDFの二倍なので, ゆえに,長方形AB,BCは長方形AB,FDの二倍である。

また,長方形AB,BCは長方形AB,FDの二倍である。

また,長方形AB,BCは有理で,ゆえに,長方形AB,FDも有理。 ].6

また,長方形AB,FDは長方形AD,DBに等しい

すなわち,長方形AD,DBも有理。

よって,平方において通約不可能な二つの直線ADとDBは
それぞれの線分でできた正方形の和が中項面積であり, 二つの直線でできた長方形は有理である。

証明終了


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