命題48

第一の二項線分を見つける

ACとCBを二つの数であるとする。

それらの和ABはBCに対して平方数であらわせる比を持つ。

しかし,CAに対しては平方数であらわせる比を持たないとする。 ].28.Lemma1

ある有理線分をDとし,EFはDと長さにおいて通約可能であるとする。

ゆえに,EFも有理線分である。

数BAが数ACに対するように EF上の正方形がFG上の正方形に対するようにGをとる。 ].6.Cor.

また,ABはACに対して数であらわせる比を持ち,
ゆえに,EF上の正方形も またFG上の正方形に対して数であらわせる比を持つ。

すなわち,EF上の正方形はFG上の正方形と通約可能である。 ].6

また,EFは有理で,ゆえにFGも有理。

そしてBAはACに対して平方数であらわせる比を持たないので
同様にEF上の正方形は FG上の正方形に対して平方数であらわせる比を持たない。

ゆえに,EFはFGと長さにおいて通約不可能 ].9

したがって,EFとFGは平方においてのみ通約可能な有理線分である。
ゆえに,EGは二項線分である。
].36

これが第一の二項線分であることを示す。

数BAが数ACに対するようにEF上の正方形がFG上の正方形に対するので,
BAがACより大きい時, EF上の正方形もまたFG上の正方形より大きい。

FG上の正方形とH上の正方形の和がEF上の正方形に等しいとする。

BAがACに対するようにEF上の正方形はFG上の正方形に対するので,
ゆえに,除比の理より,ABがBCに対するように, EF上の正方形はH上の正方形に対する。
X.19.Cor.

また,ABはBCに対して平方数であらわせる比をもつので,
ゆえに,EF上の正方形はH上の正方形に対して, 平方数であらわせる比を持つ。

したがって,EFとHは長さにおいて通約可能である。

ゆえに,EF上の正方形はFG上の正方形より EFと通約可能な線分H上の正方形だけ大きい。 ].9

また,EFとFGは有理で,EFはDと長さにおいて通約可能である

したがって,EGは第一の二項線分である。

証明終了


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