命題67

「双中項線分と通約可能な線分は双中項線分であり,順位において同じである」

ABを双中項線分とし,CDはABと長さにおいて通約可能であるとする。

CDが双中項線分でABと順位において同じであることを証明する。

ABは双中項線分なので,Eで2つの中項線分に分けられたとする。このとき,AE,EBは平方においてのみ通約可能な中項線分である。 ].37 ].38

ABがCDに対するようにAEがCFに対する。このとき,のこりのEBがのこりのFDに対するように,ABがCDに対する。 X.19

また,AEはCDと長さにおいて通約可能なので,AE,EBはCF,FDとそれぞれ通約可能である。 ].11

また,AE,EBは中項線分であるので,CF,FDは中項線分である。 ].23

AEがEBに対するようにCFがFDに対するので,AE,EBは平方においてのみ通約可能である。よって,CF,FDは平方においてのみ通約可能である。 X.11 ].11

また,CF,FDは中項線分である事が証明されていたので,CDは双中項線分である。

次に,CDがABと順位において同じである事を示す。

AEがEBに対するように,CFがFDに対するので,AEでできた正方形が長方形AE,EBに対するようにCFでできた正方形が長方形CF,FDに対する。 入れ替えて,AEでできた正方形がCFでできた正方形に対するように,AE,EBでできた長方形がCF,FDでできた長方形に対する。 X.16

また,AEでできた正方形はCFでできた正方形と通約可能である。 よって,AE,EBでできた長方形はCF,FDでできた長方形と通約可能である。

ゆえに,AE,EBでできた長方形が有理面積ならば,CF,FDでできた長方形は有理面積である。したがって,CDは第1の双中項線分であり,中項面積ならば,中項面積で線分AB,CDはそれぞれ第2の双中項線分である。 よって,CDはABと順位において同じである。 ].37 ].38

証明終了


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