命題73

「有理線分から平方においてのみ全体と通約可能な有理線分が引かれるならば,残りは無理線分である。これを余線分と呼ぶ」

有理線分ABから平方においてのみ全体と通約可能な有理線分BCが引かれたとする。

残りのACは余線分と呼ばれる無理線分である事を示す。

ABはBCと長さにおいて通約不可能でABがBCに対するように,ABでできた正方形がAB,BCでできた長方形に対するので,ABでできた正方形はAB,BCでできた長方形と通約不可能である。 ].11

また,AB,BCでできた正方形の和はABでできた正方形と通約可能でAB,BCでできた長方形の2倍はAB,BCでできた長方形と通約可能である。 ].15 ].6

AB,BCでできた正方形の和はAB,BCでできた長方形の2倍とCAでできた正方形の和に等しいので,AB,BCでできた正方形の和は残りのACでできた正方形と通約不可能である。 U.7 ].13 ].16

また,AB,BCでできた正方形の和は有理面積である。よって,ACは無理線分である。 これを余線分と呼ぶ。 ].Def.U.4

証明終了


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