命題85

「第1の余線分を見つける」

有理線分Aが定められ、BGはAと長さにおいて通約可能とする。  このとき、BGは有理線分である。

2つの平方数DE,FEが定められ、その差FDは平方数でないとする。 このとき、EDはDFに対して平方数が平方数に対する比をもたない。

EDがDFに対するようにBGでできた正方形がGCでできた正方形に対するようにされたとする。このとき、BGでできた正方形はGCでできた正方形と通約可能である。 ].6

また、BGでできた正方形は有理面積であるので、GCででた正方形は有理面積である。よって、GCは有理線分である。

EDはDFに対して平方数が平方数に対する比をもたないので、BGでできた正方形はGCでできた正方形に対して平方数が平方数に対する比をもたない。  よって、BGはGCと長さにおいて通約不可能である。 ].9

BG,GC有理線分であるので平方においてのみ通約可能な有理線分である。よって、BCは余線分である。 ].73

次に、第1の余線分であることを示す。

Hでできた正方形はBGでできた正方形とGCでできた正方形との差であるとする。

EDがFDに対するようにBGでできた正方形GCでできた正方形に対するので、除比の理より、DEがEFに対するようにGBでできた正方形がHでできた正方形に対する。

また、DEはEFに対してどちらも平方数であるので、平方数が平方数に対する比をもつ。よって、GBでできた正方形はHでできた正方形に対して平方数が平方数に対する比をもつ。ゆえに、BGはHと長さにおいて通約可能である。 ].9

BGでできた正方形はGCでできた正方形よりHでできた正方形だけ大きい。よって、BGでできた正方形はGCでできた正方形よりBGと長さにおいて通約可能な線分でできた正方形だけ大きい。

BG全体は定められた有理線分Aと長さにおいて通約可能である。 よって、BCは第1の余線分である。したがって、第1の余線分BCが見つけられた。 ].Def.V.2

証明終了


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