命題86

「第2の余線分を見つける」

有理線分をAとし,Aと長さにおいて通約可能な線分をGCとする。そのとき,GCは有理である。2つの平方数をDE,EFとして,これらの差であるDFは平方ではないとする。

FDがDEに対するように,CG上の正方形がGB上の正方形に対するように描く。

そのとき,CG上の正方形はGB上の正方形と通約可能である。 ].6

また,CG上の正方形は有理で,ゆえにGB上の正方形も有理である。ゆえに,BGは有理。また,GC上の正方形はGB上の正方形に対して平方数で表せる比をもたないので,ゆえにCGはGBと長さにおいて通約不可能である。 ].9

また,両方とも有理なので,ゆえにCGとGBは平方においてのみ通約可能な有理線分である。ゆえに,BCは余線分である。 ].73

次に,それが第2の余線分である事を示す。

BG上の正方形はGC上の正方形よりH上の正方形だけ大きいとする。

BG上の正方形がGC上の正方形に対するように,平方数EDが平方数DFに対するので,ゆえに,入れ替えてBG上の正方形がH上の正方形に対するように,DEはEFに対する。

また,DEとEFは互いに平方なので,ゆえに,BG上の正方形はH上の正方形に対して平方数で表せる比をもつ。ゆえに,BGはHと長さにおいて通約可能である。 ].9

そして,BG上の正方形はGC上の正方形よりH上の正方形だけ大きい。ゆえに,BG上の正方形はGC上の正方形よりBGと長さにおいて通約可能な線分上の正方形だけ大きい。

また,CGは定められた有理線分Aと通約可能であり,ゆえにBCは第2の余線分である。よって,第2の余線分BCは見つけられた。 ].Def.V.2

証明終了


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