命題87

「第3の余線分を見つける」

有理線分をAとする。三つの数E,BC,CDはお互いに平方数が平方数に対する比を持たない。しかし,CBはBDに対して平方数が平方数に対して持つ比を持つ。

EがBCに対するようにA上の正方形がFG上の正方形に対し,BCがCDに対するようにFG上の正方形がGH上の正方形に対するとする。

EがBCに対するようにA上の正方形がFG上の正方形に対するのでA上の正方形はFG上の正方形と通約可能である。 ].6

ここでA上の正方形は有理,よってFG上の正方形も有理。よってFGは有理である。

EはBCに対して平方数が平方数に対して持つ比を持たないのでA上の正方形はFG上の正方形に対して平方数が平方数に対して持つ比を持たない。 よってAはFGと長さにおいて通約不可能である。 ].9

またBCがCDに対するようにFG上の正方形がGH上の正方形に対するのでFG上の正方形はGH上の正方形と通約可能である。 ].6

ここでFG上の正方形は有理,よってGH上の正方形も有理,よってGHは有理である。

BCはCDに対して平方数が平方数に対する比を持たない。 よってFG上の正方形もGH上の正方形に平方数が平方数に対して持つ比を持たない。よって,FGはGHと長さにおいて通約不可能である。 ].9

そして両方とも有理なのでFGとGHは平方においてのみ通約可能な有理線分である。よってFHは余線分である。 ].73

次に,FHが第三の余線分であることを示す。

EがBCに対するようにA上の正方形がFG上の正方形に対するのでBCがCDに対するようにFG上の正方形がHG上の正方形に対する。よって等間隔比により,EがCDに対するようにA上の正方形はHG上の正方形に対する。 X.22

ここでEはCDに対して平方数が平方数に対して持つ比を持たないのでA上の正方形もGH上の正方形に対して平方数が平方数に対して持つ比を持たない。よってAはGHと長さにおいて通約不可能である。 ].9

よってFGもGHも有理線分Aと長さにおいて通約不可能である。

ここでFG上の正方形はGH上の正方形よりK上の正方形だけ大きいとする。

BCがCDに対するようにFG上の正方形がGH上の正方形に対する。よって反転比によりBCがBDに対するようにFG上の正方形がK上の正方形に対する。

ここでBCはBDに平方数が平方数に対して持つ比を持つのでFG上の正方形もK上の正方形に平方数が平方数に対して持つ比を持つ。

よってFGはKと長さにおいて通約可能。そしてFG上の正方形はGH上の正方形よりFGと通約可能な直線上の正方形だけ大きい。 ].9

そしてFGもGHも有理線分Aと長さにおいて通約不可能なのでFHは第三の余線分である。 ].Def.V.3

証明終了


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