命題89

「第5の余線分を見つける」

ある有理線分をAとし,Aと長さにおいて通約可能な線分をCGとする。そのとき,CGは有理である。

2つの平方数をDF,FEとし,DEはDFとFEの両方ともに対して平方数で表せる比をもたない。FEがEDに対するように,CG上の正方形がGB上の正方形に対するようにする。

このとき,GB上の正方形もまた有理である。ゆえに,BGも有理。 ].6

また,DEがEFに対するように,BG上の正方形がGC上の正方形に対するので,DEはEFに対して平方数で表せる比をもたない。ゆえに,BG上の正方形はGC上の正方形に対して平方数で表せる比をもたない。ゆえに,BGはGCと長さにおいて通約不可能である。 ].9

また,両方とも有理で,ゆえにBGとGCは平方においてのみ通約可能な有理線分である。ゆえに,BCは余線分である。 ].73

次にこれが第5の余線分である事を証明する。

BG上の正方形はGC上の正方形よりH上の正方形だけ大きいとする。

BG上の正方形がGC上の正方形に対するように,DEがEFに対し,ゆえに入れ替えて,EDがDFに対するようにBG上の正方形がH上の正方形に対する。

また,EDはDFに対して平方数で表せる比をもたないので,ゆえにBG上の正方形もH上の正方形に対して平方数で表せる比をもたない。ゆえに,BGはHと長さにおいて通約不可能。 ].9

また,BG上の正方形はGC上の正方形より,H上の正方形だけ大きい。ゆえに,GB上の正方形はGC上の正方形よりGBと長さにおいて通約不可能な線分上の正方形だけ大きい。

また,たされた線分CGは定められた有理線分Aと長さにおいて通約可能でゆえに,BCは第5の余線分である。 ].Def.V.5

よって,第5の余線分BCが見つけられた。

証明終了


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