命題61

「第1の双中項線分上でできた正方形は,第2の双中項線分を幅として,有理線分上に作られる。」

ABはCで2つの部分に分けられる第1の双中項線分で,ACはABより大きいとする。 有理線分DEが定められ,DE上にABでできた正方形に等しく,DGを幅とする平行四辺形DFが作られたとする。

DGが第2の双中項線分である事を示す。

前と同じ図を用いる。

このとき,ABはCで分けられる第1の双中項線分なので,AC,CBは平方においてのみ通約可能で有理面積を囲む中項線分である。 よって,AC,CBでできた正方形は中項面積である。 ].37 ].21

ゆえに,DLは中項面積である。 DLは有理線分DE上に作られるので,MDは有理線分DEと長さにおいて通約不可能である。 ].15 ].22

また,AC,CBでできた長方形の2倍は有理面積であるのでMFは有理面積である。 MFは有理線分ML上に作られるので,MGは有理線分でMLすなわちDEと長さにおいて通約可能である。 よって,DMはMGと長さにおいて通約不可能である。 ].20 ].13

DM,MGは有理線分なので平方においてのみ通約可能な有理線分である。ゆえに,DGは二項線分である。   ].36

次に第2の二項線分である事を示す。

AC,CBでできた正方形の和はAC,CBでできた長方形の2倍より大きいので,DLはMFより大きい。すなわち,DMはMGより大きい。 Y.1

ACでできた正方形はCBでできた正方形と通約可能なのでDHはKLと通約可能。よって,DKはKMと通約可能である。 Y.1 ].11

DK,KMでできた長方形はMNでできた正方形に等しい。よって,DMでできた正方形はMGでできた正方形よりDMと通約可能な線分でできた正方形だけ大きい。 MGはDEと長さにおいて通約可能である。 ].17

よって,DGは第2の二項線分である。 ].Def.U.2

証明終了


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