命題109

「有理面積から中項面積がひかれるならば,他の2つの無理線分、すなわち第1の中項余線分か中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺ができる」

有理面積BDから中項面積BCがひかれたとする。

残りのECに等しい正方形の辺は2つの無理線分の1つ、すなわち第1の中項余線分か中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺であることを示す。

有理線分FGが定められ、同様にして長方形がつくられたとする。 このとき、FHは有理線分でFGと長さにおいて通約不可能である。 KFは有理線分でFGと長さにおいて通約可能である。 よって、FH,FKは平方においてのみ通約可能な有理線分である。 ].13

ゆえに、KHは余線分でFKはKHの付加である。 ].73

HFでできた正方形はFKでできた正方形よりHFと通約可能な線分でできた正方形またはHFと通約不可能な線分でできた正方形だけ大きい。

HFでできた正方形はFKでできた正方形よりHFと通約可能な正方形だけ大きい。付加されたFKは定められた有理線分FGと長さにおいて通約可能である。 このとき、KHは第2の余線分である。 ].Def.V.2

よって、LHすなわちECに等しい正方形の辺は第1の中項余線分である。 ].92

また、HFでできた正方形はFKでできた正方形よりHFと通約可能な線分でできた正方形だけ大きく、付加されたFKは定められた有理線分FGと長さにおいて通約可能である。このとき、KHは第5の余線分である。 よって、ECに等しい正方形の辺は中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺である。].Def.V.5 ].95

したがって,有理面積から中項面積がひかれるならば他の2つの無理線分、すなわち第1の中項余線分か中項面積と有理面積の差に等しい正方形の辺ができる。

証明終了


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